霧野カナタプロデュース

”チヂミ系”美少女ダンスカンパニー「ドーダス・ダーダ」

2001年7月6日(金)・7日(土) ”Fiest!”イベントに参加!!!

詳細情報は、こちらへ...

前回作品

「One of the Most Beautiful Things」

情報

 ドーダス・ダーダ次回作「So Near Like...(仮題)」(written by 霧野ソナタ)

ダンス・シナリオ掲載!!!

 この作品をもとに、一緒に作品創りに関わっていただけるダンサー、俳優、美術家、制作スタッフを求めています。

 ご連絡はkanata@kirino.netまで...

霧野ソナタ

泣き叫ぶ私、聞こえない声で。

いつも優しい友人の話す声が遠くに聞こえている。

彼女は…どこか助けを求めているのかもしれない。

去年の私は、楽しそうに走り回っていた。

そして、大きく手を振っているのが見える。

あれは誰に向かってなんだろう。

私の右手が溶けていく。

10年前はずっと子供だった私が、

何かに向かって、

ボーッと歩いている。

眠っているの?

泣いているの?

お母さんが私に追いついて、

私を殴ろうとする。

「心配していたよ」と言って、お母さんは私を抱きしめる。

私は、それでも眠ったまま。

眠ったまま、私は生きていくことにした。

花が咲いている。

風が吹いている。

いろんな音が空の遠くに集まっていく。

友達の声が聞こえる。

ずっとつきあっていた彼は、今はオレゴンにいる。

たった今私の頭の上を飛んでいったのと

同じ飛行機に乗って...

私が中学生の頃に書いた絵が空を飛んでいるのが見える。

とってもお行儀よく雲の間を通りぬけて。

びしょ濡れの私が歩いている。

冷たそう。

きっと私の姉があんまり泣いたせい。

私の姉の恋人は、私のこともとっても好きだって言ってた。

すごく眠い。

歩きつづけておなかはペコペコ。

小さい声で好きな歌を口ずさんでみた。

そのフレーズ。

きっとどこかで私に似た女の子が同じ歌をうたっている。

走り出してみた。

誰かが遠くへいってしまいそうだから。

でもそれは、私が誰かを追いかけていることになるの?

坂道はつらい。

誰もいない長くて白い坂。

あとひと息で坂が終わるころ、

大勢の兵隊さん達が黙って行進していくのが見える。

子犬を走らせ自転車に乗った盲目のおじいさんが笑っている。

本を読んでいる私。

今日はこれでもう64冊目。

一日の最高読書数。

明日は自分で小説を書くことにする。

「気狂い」の私。

サーカスでピエロをする私。

外科医の私。

患者の内臓をすばやく摘出する私。

あっ、間違えた。

今度は真剣に、間違えずに...

私の掌には、父のガンに冒された心臓がまだ生きている。

ハンサムな死神が、隣の部屋で大きなあくびをこらえて涙目になるのが見えた。

ピアノを弾いている私。

いつもチェルニーの同じところで同じようにつまずいてしまう。

ピアノの先生はおばあさん。

日本人だけどロシア人に見えるおばあさん。

おばあさんは震える指で、

私の間違いを直してくれる。

おばあさんは死にました。

公園のベンチでくしゃみをして目を覚ます私。

となりには彼がいる。

目の前には栗毛色の髪をした男の子がいる。

溶けかかったアイスクリームを手にしたまま。

その不思議そうな目は、私の目の奥にある森を見ているのかしら?

陸上選手の私。

どっちだろう。短距離?それとも長距離?

ハードルが見えないくらい遠くまで並んでいるから中距離かな。

私のライバル達は速い。

長くてすてきな足が私をどんどん追い抜いていく。

くやしいけど、すがすがしい。

息が苦しくなる。

友達の声援が聞こえてくる。

ゴールは永遠に見えない。

人が倒れた音がする。

私は気を失ったみたい。

大勢の人たちが倒れた私をのぞきこんでいる。

「平気ですよ。」

私がそう言うと、みんなが笑った。

こんなに思いっきり笑ったことってあったかしら。

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