「口舌文学(ラップ)」シリーズ

「聞こえるもの,見えるもの」

霧野カナタ

月の光 
イルカのささやき
真夜中に咲くダリア
泣き叫ぶ子供達
吠えたてる犬の群れ
とまったままんまの白い雲
交差点にざわめく潮騒の音
蒸気機関車が吐き出す赤茶けた溶岩と紫の煙
月を向くヒマワリ
太陽の沈む音
水晶の砕け散る道
北極の歪む音
手のひらにひろがる砂漠
窓ガラスのみずうみ
川底のピラミッド
晴れた日のカフェテラスにびしょ濡れの恋人達
真夏の公園で溶けかけている真っ白な雪だるま
血の色をしたゲレンデ
海を走る山手線
ラテン語で話す浮浪者達